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第59候:橘始黄(たちばな はじめて きばむ)|11月26日頃〜30日頃
冬がゆるやかに始まり、師走の足音が近づくころ。古来から日本人に寄り添ってきた「ヤマトタチバナ」の実が、ほんのり黄色く色づき始める時期。橘は日本固有の柑橘で、常緑の葉を一年中絶やさないことから「変わらぬもの」「守るもの」の象徴として詠まれてきた。
この季節の移ろいを知るだけで、年末の慌ただしさのなかに、静かな呼吸のようなリズムが戻ってくる。
スモールビジネスでも同じように、色づきはゆっくり始まる。数字に大きな変化がなくても、問い合わせの質や常連の反応が少しだけ深まっていたり、保存が微増していたり。こうした“静かな兆し”が、後の伸びをつくる。
心理学では、人の成長は外からは見えにくい段階が長く続くとされる。橘の実が一気に黄ばむように、成果はある日境界線を超えて表面化する。だからこそ、師走の前のこの時期は、焦って加速させるより“熟すための空気を整える”方が効果的。
橘が冬の始まりにそっと色づくように、ビジネスも静かな変化が進んでいる。見えない時期ほど、実は大切なことが育っている。

