第5節気:清明(せいめい)|4月4日頃〜
万物が清らかで生き生きとした輝きを放つ「清明(せいめい)」の季節が巡ってきました。春の柔らかな光が降り注ぎ、花が開き、空気が澄み渡るこの時期は、自然界全体が曇りのない透明感に包まれているようです。
この「清らかで明るい」という自然の摂理は、私たちのビジネスにおいても、大切な指針を示してくれているように感じます。日々の業務に追われていると、いつの間にか企画の本質が曖昧になったり、仲間とのコミュニケーションに小さな「淀み」が生じたりすることはないでしょうか。清明の風が野山の霞を払うように、今一度、自分たちの仕事の進め方や向き合い方に、隠し立てのない透明性を持たせたいものです。
江戸時代の思想家、石田梅岩は「正直は万事の本(もと)」と説きました 。梅岩のいう正直とは、単に嘘をつかないことだけではありません。商いの本質は「天下の相通じ、有無を交易する道」であり、世の中の役に立つ役割を担っているからこそ、何よりも誠実さが求められるのです 。梅岩は「実(まこと)の商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり」という言葉を遺していますが 、これは相手と自分の双方が納得し、共に利益を得られる道を探る共生の倫理です 。
私たちの小さなチームにおいても、目先の利益や体裁にとらわれず、この「清明」の光のような清々しい誠実さをビジネスの根幹に据えたいものです。心に曇りのない状態で仕事に向き合うとき、現場には新しい創造の芽が息吹き、信頼という名の確かな花が咲き誇るのではないでしょうか。

