第1候:東風解凍(はるかぜ こおりを とく)|1月30日頃〜2月3日頃
暦の上では春の兆しが見え始める頃。東から吹く温かな風が、冬の間カチカチに凍りついていた川の氷をゆっくりと溶かし始める。それが「東風解凍」です。まだ肌寒さは残りますが、水面の下では確かな変化が始まり、春という新しい季節への準備が整いつつあります。
この自然の摂理は、私たちのビジネスやチーム運営にも大切な視点を与えてくれます。行き詰まった企画、なかなか心を開いてくれないクライアント、あるいは活気を失った現場。これらを無理やり力で動かそうとしても、氷を叩き割るような衝撃を与えては、大切なものを傷つけてしまうかもしれません。必要なのは、凍てついた心を解かす「東風」のような、誠実で温かなアプローチではないでしょうか。
石田梅岩は、商売の本質を「正直」と「勤勉」に求めました。自分の利益だけを急ぐのではなく、相手のために尽くす誠実な心。その積み重ねこそが、硬い氷をも溶かす温かな風となります。目先の数字を追うことよりも、まずは目の前の仲間やお客様との「信頼」という温度を1度上げること。それが、結果として春の訪れを早める近道になるのです。
効率やスピードが求められる時代だからこそ、私たちは東風のように、しなやかで温かい心を持ち続けたいものです。小さな優しさや丁寧な言葉選びが、誰かの冬を終わらせるきっかけになるはず。

