第3候:立春末候/魚上氷(うお こおりを いずる) 2/14〜2/18頃
春の気配が少しずつ濃くなり、川を覆っていた薄氷が割れ始める季節となりました。七十二候では「魚上氷(うおこおりをいずる)」と呼ばれます。割れた氷の間から、待ちわびた春の光の中へ魚たちが跳ね上がる、生命力に溢れた情景です。
ビジネスの現場においても、長く停滞していた企画や、なかなか手応えの掴めなかったプロジェクトが、ふとしたきっかけで動き出す瞬間があります。この「氷が割れる時」を逃さず、一気に流れを作るために必要なのは、新しい何かを外に追い求めること以上に、「今持っているものをどう生かすか」という視点です。
石田梅岩は、商いの心得として「倹約」を強く説きました。梅岩のいう倹約とは、単に支出を抑えることではありません。「物を無駄にせず、その持ち味を隅々まで生かし切ること」こそが本質です。スモールビジネスにおいては、限られた予算、時間、そして共に働く仲間の個性という「今ある資源」をいかに大切に、知恵を絞って使い切るか。その工夫こそが、氷を突き破り、新しい流れを生む強力な力となります。
まだ周囲には冷たさが残っているかもしれません。しかし、水面下では着実に春の準備が整っています。
私たちは、華やかな外部環境の変化を待つのではなく、自らの手元にある「宝物」に光を当て、最大限に生かしていきたいものです。チームで出し合った小さな知恵が、やがて氷を突き破り、鮮やかに跳ね上がる魚のような勢いとなって、ビジネスを次のステージへと運んでくれる――そう信じて、今日という日を丁寧に、力強く歩んでいきたいものです。

