第6候:雨水末候/草木萌動(そうもくめばえいずる) 3/1〜3/4頃
足元をふと見れば、冬の眠りから覚めた草木が、うっすらと柔らかな緑をのぞかせ始める時期です。派手な華やかさはありませんが、凍てつく土の下で静かに蓄えられた生命力が、ついに形となって現れる。そんな、静かな、しかし確かな「始まり」の気配に満ちています。
私たちのビジネスも、この時期の草木に似ているのではないでしょうか。新しいプロジェクトやチームの挑戦も、最初は目に見えない土面の下で試行錯誤を繰り返します。大切なのは、芽吹く直前の小さな「兆し」に、どれだけ誠実に向き合えるかという点です。
石田梅岩の説いた「正直」とは、単に嘘をつかないことだけではなく、物事の道理に真っ直ぐであることも含みます。芽が出始めたばかりの変化を、まだ目に見える成果がないからと切り捨てず、丁寧に見守ること。派手な拡大を急ぐよりも、目の前の一人ひとりのお客様や、共に歩む仲間のささいな成長を慈しむこと。それこそが、誠実な商いのあり方だと思うのです。
「先義後利」の心で、まずは自分たちができる真面目な努力を積み重ね、周囲の役に立つことを喜びに変えていく。そうして大切に育まれた芽は、やがて揺るぎない大樹へと成長していくはずです。
春の陽光が少しずつ強くなるように、私たちの情熱もまた、焦らず、しかし着実に育んでいきたいものです。小さな芽吹きが、やがて関わるすべての人を笑顔にする豊かな森へとつながっていく。そんな未来を、私たちは共に信じて歩んでいきたいですね

