第7候:啓蟄初候/蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 3/5〜3/9頃
土の中で冬ごもりをしていた虫たちが、春のあたたかな陽気に誘われて、自ら戸を開いて外の世界へ姿を現す頃です。暗く静かな地中から光あふれる地上へと這い出すこの時期の自然には、ただ春を待つだけでなく「自らの意思で扉を開く」という、静かながらも力強いエネルギーを感じます。
私たちのビジネスにおいても、この「戸を開く」というプロセスはとても大切な節目ではないでしょうか。自分たちのチームの中だけでじっくりと企画を練り上げる時期も必要ですが、いつかはその扉を開け、お客様や社会という外の世界へ向かって発信しなければなりません。新しいサービスを立ち上げたり、未知の分野へ足を踏み入れたりする時は、誰しも少しの戸惑いや恐れを抱くものです。
石田梅岩が説いた「正直」や「勤勉」という心構えは、そんな時に私たちの背中をそっと押してくれます。自分たちの仕事が誰かの喜びにつながると信じ、これまで真面目に準備を積み重ねてきたのなら、恐れずに思い切って扉を開けてみること。「先義後利」の考え方が示すように、まずは私たちが誠意をもって世の中に働きかけることで、結果として「三方よし」の豊かな関係性が自然と広がっていくと思うのです。
土の中でじっと蓄えてきた力を信じて、仲間と共に新しい光の中へ、真っ直ぐに踏み出していく。その真摯な挑戦が、関わるすべての人に活気をもたらす、心地よい春風となりますように。

