土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)|2月19日〜2月23日頃
暦の上では、冷たい雪がしっとりとした雨に変わり、冬の間眠っていた大地がようやく潤いを取り戻す「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」の季節を迎えました。硬く閉ざされていた土の奥深くで、命の脈動が静かに、しかし確実に始まり出す。そんな自然の息吹が聞こえてくるようです。
私たちのビジネスも、この季節の土壌と同じではないでしょうか。華やかな「成果」という花を咲かせる前には、必ずその土台となる現場の空気や、チームの心の在り方が潤っている必要があります。どれほど優れた企画やアイデアがあっても、関わる人たちの心が乾き、荒んでいては、良い芽は育ちません。
石田梅岩が説いた心学の根底には、のちの「三方よし」にも通じる誠実な商いの道があります。自分たちの利益(売り手よし)だけでなく、目の前の仲間や取引先(買い手よし)、そして地域や社会(世間よし)すべてに喜びが巡ること。この三方の調和こそが、乾いた土を潤す恵みの雨となります。自分の事だけを考える「欲」という乾燥を防ぎ、関わる全ての人を潤す視点を持つことで、ビジネスという大地は何度でも再生し、豊かな実りを結ぶのです。
効率やスピードが求められる現代だからこそ、私たちは足元の土を慈しむような、丁寧な仕事を忘れたくないものです。自分たちの営みが、巡り巡って誰かの幸せを潤している。そう信じて、一つひとつの縁を大切に育んでいきたいと願っています。

