霞始靆 | 先の見えない不安を誠実さで包み、次なる展開を待つ智慧

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第6候:雨水末候/霞始靆(かすみはじめてたなびく) 2月24日〜2月28日頃

「最近、なんだか先が見えづらいな」

そんなふうに感じたことはありませんか? 新しい企画を練っている最中や、環境が大きく変わる節目。何を優先すべきか、どの道へ進むべきか。ふと視界がぼやけ、焦りを感じる瞬間は、スモールビジネスを営む私たちにとって、決して珍しいことではありません。

しかし、その「ぼんやりとした不安」は、実は悪いことばかりではありません。山野の景色がうっすらと漂う霧や霞によって柔らかな表情を見せ始める今の時期。万物が潤いを帯びて景色がたなびく様子は、春の確かな訪れを準備する大切な時間でもあるのです。

こうした視界が不透明な時こそ、石田梅岩が重んじた「正直」という心に立ち返ってみたいものです。小手先のテクニックで無理に霧を払おうと力むのではなく、目の前のお客様や仲間にどれだけ誠実に向き合えるか。その一点こそが、足元の地場を固めます。「先義後利」、つまり人としての義理を優先し、誠を尽くす姿勢を貫けば、やがて霞が晴れるように、ふさわしい成果は自然とついてくるものです。

七十二候では、この時期を「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」と呼び、二十四節気「雨水」の終わりを告げる候とされています。

予測不能な時代であっても、無理に遠くを見通そうと焦らず、まずは今できる丁寧な仕事を積み重ねていきたい。春の暖かな日差しが景色を鮮やかに彩るように、私たちの誠実な歩みが、関わるすべての人に豊かな実りをもたらす一助となりますように。そう願わずにはいられないのです。

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石田梅岩(いしだ ばいがん)とは

1685年〜1744年。江戸時代中期の思想家。石門心学(せきもんしんがく)の開祖。

丹波国(現在の京都府)の農家に生まれ、京都の商家に奉公する。独学で儒教・仏教・神道を学び、45歳で私塾を開講。 「学問とは心を尽くし知を知るためのもの」とし、日常生活における実践道徳を説いた。特に商人の営利活動を「士農工商」の枠組みを超えて肯定し、「正直」「倹約」の重要性を強調。その思想は「先義後利」「三方よし」の源流とも言われ、現代の経営倫理の先駆けとして評価が高い。

庶民に対し平易な言葉で道徳を説く講釈(道話)を行い、性別や身分を問わず広く門徒を集めた。主著に『都鄙問答(とひもんどう)』がある。

2020年6月に創設された、経営者(個人事業主や会社役員を含む)のためのビジネス交流会「梅岩塾」八咫烏支部のサブマネージャーをしています。このような「商売の本質」を一人で考えるだけでなく、現代のビジネスにどう活かすかを共に語り合う場があります。私自身も運営に携わっている「梅岩塾」での活動についても、ぜひ知っていただければ幸いです。どなたでもゲスト参加できます。
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この記事を書いた人

甲田 和美のアバター 甲田 和美 代表取締役

株式会社東京コンテンツヒット代表取締役
中小企業や起業家さんが自分で発信できるブログつきのサイトをWordPressで制作しています。

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