桃始笑|笑顔とホスピタリティで、冷えた人間関係や交渉を和ませる

目次

第8候:啓蟄次候/桃始笑|3月10日〜3月14日頃

暦の上では、桃のつぼみが少しずつほころび始める「桃始笑(ももはじめてわらう)」の頃を迎えました。昔の言葉で、花が咲くことを「笑う」と表現するのは、なんとも奥ゆかしく、春の訪れに対する喜びが伝わってくるようです。厳しい冬を越え、ふっくらと膨らんだつぼみが緩む様子は、人の心が解きほぐされる瞬間にどこか似ています。

私たちのビジネスの現場でも、時には冷え切った人間関係や、一筋縄ではいかない難しい交渉に直面することがあります。そんな時、強引にこちらの都合ばかりを通そうとすれば、相手の心はさらに固く閉ざされてしまうかもしれません。自然界が春の陽気で花を咲かせるように、まずは自分たちから相手を思いやる温かな光を投げかけることが大切だと思うのです。

江戸時代の思想家である石田梅岩は、「実(まこと)の商人は、先も立(たち)、我も立つことを思うなり」という言葉をのこしました 。これは、「真の商人とは、相手と自分の双方が納得できるような商売をするものだ」という意味を持っています 。ピリピリとした空気の中でこそ、自分の利益だけを主張するのではなく、まずは相手の立場や思いに寄り添ってみる。その誠実な姿勢とささやかなホスピタリティが、いつしか相手の緊張を解きほぐし、共に納得できる円満な着地点へと導いてくれるのではないでしょうか。

硬いつぼみがやがて柔らかくほころぶように、一つひとつの対話を心を込めて紡いでいく。お互いを労わる思いが、凍てついた空気を溶かし、関わるすべての人と温かな笑顔を交わし合える。そんな心地よい商いをして行きたいと思います。

  • URLをコピーしました!
石田梅岩(いしだ ばいがん)とは

1685年〜1744年。江戸時代中期の思想家。石門心学(せきもんしんがく)の開祖。

丹波国(現在の京都府)の農家に生まれ、京都の商家に奉公する。独学で儒教・仏教・神道を学び、45歳で私塾を開講。 「学問とは心を尽くし知を知るためのもの」とし、日常生活における実践道徳を説いた。特に商人の営利活動を「士農工商」の枠組みを超えて肯定し、「正直」「倹約」の重要性を強調。その思想は「先義後利」「三方よし」の源流とも言われ、現代の経営倫理の先駆けとして評価が高い。

庶民に対し平易な言葉で道徳を説く講釈(道話)を行い、性別や身分を問わず広く門徒を集めた。主著に『都鄙問答(とひもんどう)』がある。

2020年6月に創設された、経営者(個人事業主や会社役員を含む)のためのビジネス交流会「梅岩塾」八咫烏支部のサブマネージャーをしています。このような「商売の本質」を一人で考えるだけでなく、現代のビジネスにどう活かすかを共に語り合う場があります。私自身も運営に携わっている「梅岩塾」での活動についても、ぜひ知っていただければ幸いです。どなたでもゲスト参加できます。
Facebookでの連絡大歓迎です→こちらから

この記事を書いた人

甲田 和美のアバター 甲田 和美 代表取締役

株式会社東京コンテンツヒット代表取締役
中小企業や起業家さんが自分で発信できるブログつきのサイトをWordPressで制作しています。

目次