第4節気:春分(しゅんぶん)|3月20日頃〜
いよいよ昼と夜の長さがほぼ等しくなる「春分(しゅんぶん)」を迎えました。厳しかった寒さも次第に和らぎ、春分を境に陽が短くなる秋分まで、自然界が少しずつ陽の気に向かって開いていく、とても穏やかで美しい季節です。
さて、春分の頃といえばお彼岸でもあり、「牡丹餅(ぼたもち)」を食べる風習がありますね。牡丹餅といえば、小豆(あずき)が欠かせません。小豆には厄除けの願いが込められているだけでなく、餡(あん)の優しい甘さは脳のエネルギーとなり、心身の疲れを癒してくれます。ビジネスの現場では、いつも全力で走り続けることも時には必要ですが、ほっとひと息ついてお茶と牡丹餅で頭を休める時間もまた、同じくらい大切なのだと思います。
石田梅岩の心学に通じる「中庸」の教えは、この「バランス」の重要性を説いています。ビジネスにおいても、短絡的な利益と中長期的な理念、仕事と休息、あるいは自分たちの都合とお客様の思い。どちらか一方に偏りすぎてしまうと、どこかで無理が生じてしまいます。強引に物事を進めようとする「甘き毒」に惑わされることなく、今ある環境の中で最適なバランスを見極め、「先も立ち、我も立つ」という等身大の歩みを大切にしたいものです。
春分の穏やかな気候のように、無理に背伸びをするのではなく、等身大の歩みを大切にする。そんな心地よい調和の中で、関わる皆様と温かな関係をじっくりと育んでいきたいものです。

