第十三候:玄鳥至|4月5日〜4月9日頃
南の国から海を越え、ツバメたちが軒先に帰ってくる季節となりました 。古くから農事の目安ともされてきた「玄鳥至(つばめきたる)」の候、そのひたむきに巣を作る姿は、春の訪れを確かなものにしてくれます 。
ツバメが毎年同じ場所を選んで戻ってくるのは、そこに安心できる環境と、温かな見守りがあるからに他なりません。私たちのスモールビジネスにおいても、これは大切な示唆を与えてくれます。企画やサービスが独りよがりな利益追求になっていないか、ふと立ち止まって考えてみたいのです。
江戸時代の思想家、石田梅岩は「実の商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり」と説きました 。これは、相手も自分も共に納得し、利益を得られる「共存共栄」の精神です 。目先の効率や「二重の利」を追うのではなく、取引先やチームの仲間、そして社会全体が喜ぶ道を「正直」に選ぶこと 。その誠実な積み重ねこそが、ツバメが戻ってくる軒先のように、人々が自然と集まる「信頼」という名の居場所を作るのではないでしょうか。
「利を求むるに道あり」という言葉があるように、正しいプロセスで得た成果こそが、ビジネスを健やかに持続させてくれるはずです 。
春風に乗ってやってきた小さな来客を眺めながら、私たちもまた、関わるすべての人と「三方よし」の喜びを分かち合える、そんな誠実な商いを続けていきたいものです 。

