鴻雁北|「引き際」と「次なる備え」— 先義後利で築く持続可能なビジネス

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第14候:鴻雁北(こうがん かえる)|4月9日頃〜

冬の間、私たちの目を楽しませてくれた雁(がん)たちが、暖かな風に誘われるように北の故郷へと帰っていく季節を迎えました。桜の季節が落ち着きを見せ、自然界では主役が交代するように、一つのサイクルが静かに閉じようとしています。

この「鴻雁北(こうがんかえる)」の情景は、自らの足でビジネスを動かす日々においても、大切な示唆を与えてくれます。日々の仕事に邁進していると、つい「あれもこれも」と抱え込みがちですが、自然界に去り際があるように、仕事にも適切な「引き際」が必要です。惰性で続けている慣習や、今の自分のあり方に合わなくなったサービスを整理することは、決して退歩ではありません。雁たちが北へ帰るのが生命を繋ぐための前向きな移動であるように、次なる成長のために、手元に「余白」を作る勇気を持ちたいものです。

江戸の思想家・石田梅岩は、「実の商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり」と説きました。これは自分自身の利益だけを追うのではなく、相手も自分も共に立ちゆく「共存共栄」の姿を指しています。 一つの企画を終えたり、役割を整理したりする際、この「先義後利(義を先にして利を後にする)」の精神が根底にあれば、それは単なる終了ではなく、信頼という名の目に見えない資産を積み上げる行為に変わります。目先の数字に惑わされず、正直に、そして実直に目の前の仕事に向き合うこと。その積み重ねこそが、雁が再び冬に巡ってくるように、良き縁を自らの元へと連れ戻してくれる原動力になります。

去りゆくものに感謝を込め、今ある資源を「始末」よく活かしきること。そんな日々の地道な積み重ねを、一つひとつ丁寧に大切にしていきたいですね。

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石田梅岩(いしだ ばいがん)とは

1685年〜1744年。江戸時代中期の思想家。石門心学(せきもんしんがく)の開祖。

丹波国(現在の京都府)の農家に生まれ、京都の商家に奉公する。独学で儒教・仏教・神道を学び、45歳で私塾を開講。 「学問とは心を尽くし知を知るためのもの」とし、日常生活における実践道徳を説いた。特に商人の営利活動を「士農工商」の枠組みを超えて肯定し、「正直」「倹約」の重要性を強調。その思想は「先義後利」「三方よし」の源流とも言われ、現代の経営倫理の先駆けとして評価が高い。

庶民に対し平易な言葉で道徳を説く講釈(道話)を行い、性別や身分を問わず広く門徒を集めた。主著に『都鄙問答(とひもんどう)』がある。

2020年6月に創設された、経営者(個人事業主や会社役員を含む)のためのビジネス交流会「梅岩塾」八咫烏支部のサブマネージャーをしています。このような「商売の本質」を一人で考えるだけでなく、現代のビジネスにどう活かすかを共に語り合う場があります。私自身も運営に携わっている「梅岩塾」での活動についても、ぜひ知っていただければ幸いです。どなたでもゲスト参加できます。
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この記事を書いた人

甲田 和美のアバター 甲田 和美 代表取締役

株式会社東京コンテンツヒット代表取締役
中小企業や起業家さんが自分で発信できるブログつきのサイトをWordPressで制作しています。

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