鶏始乳|静かな準備が「新しい価値」を生み出す

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第72候:鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく)|1月30日〜2月3日頃

暦はいよいよ、一年を締めくくる七十二候の最後の一節、「鶏始乳」を迎えました。文字通り、鶏が春の気配を察して鳥屋(とや)にこもり、卵を抱き始める頃を指します。外は万物が凍てつく大寒の極みですが、その静寂のなかで、次の季節に向けた「命の準備」が始まっているのです。

特にこの時期に産み落とされる「大寒玉子」は、厳しい寒さを乗り越えるための栄養が凝縮された縁起物。冷たい空気の中でエネルギーを内側に溜め込むその姿は、私たちスモールビジネスの営みにも重なります。成果が目に見えにくい冬の時期に、どれだけ深く、熱く、自分の企画やチームの想いを温めてこられたか。その「密度の濃さ」が、春以降の飛躍を左右します。

石田梅岩が説いた「正直」の心とは、自分たちの仕事が本当にお客さまの喜びにつながっているか、一点の曇りもなく自問することです。そして、限られた資源や時間を無駄にせず、知恵を絞って価値を高める「倹約」の精神。このひたむきな「勤勉」さこそが、大寒玉子が持つ濃厚な滋養のように、私たちのビジネスに確かな芯を作ってくれるはずです。

この候が過ぎれば、暦は「立春」を迎え、また新しい一年のサイクルが始まります。一年の最後を飾るこの数日間、これまで歩んできた道のりを慈しみ、殻の中で育んできた志を信じてみてください。

冬の底で丁寧に温められた皆さんの情熱が、まもなく訪れる立春の光を浴びて、力強く、健やかに羽ばたいていく。そんな清々しい幕開けを、皆さんと共に迎えたいと願うばかりです。

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石田梅岩(いしだ ばいがん)とは

1685年〜1744年。江戸時代中期の思想家。石門心学(せきもんしんがく)の開祖。

丹波国(現在の京都府)の農家に生まれ、京都の商家に奉公する。独学で儒教・仏教・神道を学び、45歳で私塾を開講。 「学問とは心を尽くし知を知るためのもの」とし、日常生活における実践道徳を説いた。特に商人の営利活動を「士農工商」の枠組みを超えて肯定し、「正直」「倹約」の重要性を強調。その思想は「先義後利」「三方よし」の源流とも言われ、現代の経営倫理の先駆けとして評価が高い。

庶民に対し平易な言葉で道徳を説く講釈(道話)を行い、性別や身分を問わず広く門徒を集めた。主著に『都鄙問答(とひもんどう)』がある。

2020年6月に創設された、経営者(個人事業主や会社役員を含む)のためのビジネス交流会「梅岩塾」八咫烏支部のサブマネージャーをしています。このような「商売の本質」を一人で考えるだけでなく、現代のビジネスにどう活かすかを共に語り合う場があります。私自身も運営に携わっている「梅岩塾」での活動についても、ぜひ知っていただければ幸いです。どなたでもゲスト参加できます。
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この記事を書いた人

甲田 和美のアバター 甲田 和美 代表取締役

株式会社東京コンテンツヒット代表取締役
中小企業や起業家さんが自分で発信できるブログつきのサイトをWordPressで制作しています。

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