葭始生|「見えない根」を育む誠実さが、持続可能なビジネスの土台となる

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第16候:葭始生(あし はじめて しょうず)|4月19日頃〜

水辺の景色が、少しずつ淡い緑色に染まり始める季節となりました。冬の間は枯れ色だった葦(あし)が、水底から力強く芽を出す「葭始生(あしはじめてしょうず)」の時期です。春の光を浴びてスッと伸びる若芽の姿は、これから始まる生命の勢いを感じさせてくれます。

この情景をビジネスの現場に重ねてみると、新しい企画がようやく形になり始めたり、地道に取り組んできたことが少しずつ周囲に認知されたりする、そんな「芽吹きの瞬間」に似ています。ここで大切なのは、地上に見えている芽の勢い以上に、それを支える水底の「根」がいかにしっかり張っているか、という視点です。

石田梅岩の教えの中に、物事の根本を大切にする姿勢があります。ビジネスにおいて、目に見える売上や成果は「枝葉」であり、それを支える「根」にあたるのが、誠実な心や日々の実直な努力です。梅岩は、商売の利益を「正直」の対価として捉え、自利(自分の利益)だけでなく他利(相手の利益)を同時に追求する「三方よし」の重要性を説きました。 新しい試みが芽を出す時期こそ、目先の数字を急ぐ「甘き毒」に注意し、まずは相手に対して正直であるか、提供する価値に偽りはないかという原点に立ち返る。こうした「先義後利」の姿勢が、厳しい季節にも揺るがない強い根っこを育てます。

派手な成長を追い求めるのではなく、まずは足元の土壌を整え、内側にある誠実さを一つひとつの実務に込めていく。そうした丁寧な積み重ねを、今日という一日から大切にしていきたいですね。

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石田梅岩(いしだ ばいがん)とは

1685年〜1744年。江戸時代中期の思想家。石門心学(せきもんしんがく)の開祖。

丹波国(現在の京都府)の農家に生まれ、京都の商家に奉公する。独学で儒教・仏教・神道を学び、45歳で私塾を開講。 「学問とは心を尽くし知を知るためのもの」とし、日常生活における実践道徳を説いた。特に商人の営利活動を「士農工商」の枠組みを超えて肯定し、「正直」「倹約」の重要性を強調。その思想は「先義後利」「三方よし」の源流とも言われ、現代の経営倫理の先駆けとして評価が高い。

庶民に対し平易な言葉で道徳を説く講釈(道話)を行い、性別や身分を問わず広く門徒を集めた。主著に『都鄙問答(とひもんどう)』がある。

2020年6月に創設された、経営者(個人事業主や会社役員を含む)のためのビジネス交流会「梅岩塾」八咫烏支部のサブマネージャーをしています。このような「商売の本質」を一人で考えるだけでなく、現代のビジネスにどう活かすかを共に語り合う場があります。私自身も運営に携わっている「梅岩塾」での活動についても、ぜひ知っていただければ幸いです。どなたでもゲスト参加できます。
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この記事を書いた人

甲田 和美のアバター 甲田 和美 代表取締役

株式会社東京コンテンツヒット代表取締役
中小企業や起業家さんが自分で発信できるブログつきのサイトをWordPressで制作しています。

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